コラーゲンドリンクは効果なし?論文や特許を調べてみた

資生堂ザコラーゲンドリンク

コラーゲンドリンク(パウダー、タブレットなども含む)は、肌が美しくなると言われていますが、本当に効果はあるのかと疑う声もあります。

 

コラーゲンを飲んでも分解されるので意味ないという話も聞きます。

 

今回は、コラーゲンドリンクについて、関連する論文や特許を調べて、本当に効果があるのか考察してみました。

 

アミノ酸、ペプチド、コラーゲンについて

まず、知っておいていただきたいのが、アミノ酸、ペプチド、コラーゲンの分子構造についてです。

アミノ酸、ペプチド、コラーゲンの模式図

コラーゲンを構成する最小の‪分子がアミノ酸です。また、アミノ酸が2つくっついた分子をジペプチド、3つくっついた分子がトリペプチドと呼ばれます。コラーゲンは非常にたくさんの分子が結合した高分子です。

その中間くらいの分子量のものがペプチドと呼ばれます。

 

より詳しくはこんな感じ。

  • アミノ酸・・・コラーゲンを構成する最小の分子。私たちに必要なアミノ酸20種類を見ると、分子量が75〜204程度。
  • ジペプチド、トリペプチド・・・アミノ酸が2つ、あるいは3つくっついた分子。分子量は150〜600程度。
  • ペプチド・・・アミノ酸どうしがたくさん結合した分子。コラーゲンよりは分子量が小さい。分子量は数100〜数1000。
  • コラーゲン・・・アミノ酸が、非常にたくさん結合した高分子。分子量は数10万。

 

コラーゲンって本当に効果あるの?論文データを調べてみた

有名なのが、森永製菓さんの論文ですね。200人以上の被験者で、ダブルブラインド試験をやっており信頼性のあるデータが出ていると思いました。

 

こちらの論文を要約すると、

  • 魚由来コラーゲンペプチドを毎日5g、あるいは10gを1ヶ月飲むとプラセボと比べて有意に角層水分量が上がる
  • 魚由来コラーゲンペプチドを毎日2.5gでは、プラセボと比べて有意な結果が出てない
  • 水分蒸散抑制量、肌のやわらかさ、弾力は、プラセボと比べて有意な結果ではない
  • 豚由来コラーゲンを毎日10g飲んでも、プラセボと比べて有意な結果は出てない

 

ということでした。

 

どれくらい改善したのかですが、プラセボを飲んだ人たちが元の1.2倍の角層水分量になったのに対して、5gの魚由来ペプチドを飲んだ人たちは元の1.3倍の水分量になったという感じですね。

 

コラーゲンペプチドを摂取するならば、1日あたり5g配合されているもので、魚由来のものをとるのが良さそうです。

 

過去の研究から、ヒドロキシプロリンというアミノ酸を含むジペプチドやトリペプチドが、真皮線維芽細胞のヒアルロン酸産生促進効果があるからと考えられています。

 

魚と豚に差があった理由は、魚由来ペプチドの方が、ヒドロキシプロリンが含まれるジペプチドやトリペプチドが、豚に比べて1.5倍ほど血中濃度が高くなり、その結果、線維芽細胞のヒアルロン酸産生を促進するためと考察されていました。

 

次に市販のコラーゲンドリンク・パウダー・タブレットなどについて、どんなコラーゲンが配合されているか調査しました。また、他の美容成分の情報も確認しています。

 

資生堂のコラーゲンドリンクの効果はある?データから考察

資生堂のコラーゲンドリンク「ザ・コラーゲン」について、関連特許や論文を調べてみました。

論文は見つかりませんでしたが、関連特許が2つ見つかりました。

特許第4917180号

報告者 資生堂
国際特許出願番号 WO 2013/005514A1
登録特許番号 特許第4917180号
効果的な成分 リンゴベリー+アムラ
主な効果
  • 背中の肌弾力改善
  • 目尻のシワ改善
  • 法令線・額のシワ・すべすべ感の改善
  • 細胞実験によるコラーゲン産生促進効果
モニター試験 60名を15名ずつ4つのグループに振り分ける。4種類のうち1つのドリンクを1日1本飲み、2ヶ月継続する。
実験の信頼性 不明。ダブルブラインド明記なし。

コラーゲンペプチドの特許というよりは、アムラ+リンゴベリーという植物の成分を組み合わせた時に、美肌効果が高まるという特許でした。

 

4つのドリンクの処方は以下。

コラーゲンドリンクの処方

引用:特許第4917180号

 

  • A群の15人が飲んだのは、美容成分が何も入ってないプラセボドリンク
  • B群の15人が飲んだのは、プラセボ処方+コラーゲンペプチド
  • C群の15人が飲んだのは、プラセボ処方+コラーゲンペプチド+リンゴベリー
  • D群の15人が飲んだのは、プラセボ処方+コラーゲンペプチド+リンゴベリー+アムラ

 

結果としては、Dを飲んだ人たちは、Aを飲んだ人たちに比べて美肌効果があったということですね。

どんな効果があったのか、もう少し詳細にみていきます。

 

背中の肌弾力改善

こちらは、キュートメーターという機械で人での実験です。

キュートメーターは、肌を吸引し、その後吸引を解除することで、肌の柔らかさや弾力を測定する機械です。

 

結果は、D群(リンゴンベリー+アムラ)を飲んだ方は、A(プラセボ)より有意に改善ということでした。

数字をみたのですが、どれくらいの改善効果なのかは、ちょっと分かりませんでした。

背中でやったのは、実験のしやすさ?良いデータがとれるから?なのかとも思います。

目尻のシワ改善

D群(リンゴンベリー+アムラ)を飲んだ方は、A(プラセボ)より有意に目尻のシワが改善ということでした。

 

また、シワ改善具合は、0.2くらいは改善されるという感じですね。

資生堂コラーゲンドリンクのシワ改善スコアのグラフ

引用:特許4917180号

 

では、この改善がどれくらいの効果なのでしょうか?

 

以下の図はシワグレードスコアです。

例えば、シワグレード3の人がシワグレード2になるなら、1改善していることになりますが、コラーゲンドリンクは平均で0.2くらいの改善なので、シワグレード3の人がシワグレード2.8になるようなイメージです。

シワグレードの写真

引用:新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン

参考:特許第4917180号(WO2013/005514A1), 経口摂取用肌改善剤

法令線・額のシワ・すべすべ感の改善(アンケート)

D群(リンゴンベリー+アムラ)は、プラセボに対して有意差(p<0.05)あるいは傾向差(p<0.10)のある改善効果が認められたということです。

 

法令線の改善効果を表すグラフ

引用:特許4917180号

法令線のアンケートを見ると、1日でもプラセボより有意に改善というアンケート結果でした。1日で改善効果を感じたという人が多かったということですね。

 

アンケートなので、データとしてはちょっと弱い気はします。

 

細胞実験によるコラーゲン産生促進効果

では、コラーゲンが増える効果はあるのか?

人の肌で実験したデータはないですが、細胞で実験した結果が記載されていました。

 

コラーゲンを生み出す線維芽細胞に、アムラ+リンゴベリーを混ぜると、何も混ぜないもの(control)より有意にコラーゲン量がアップしたということです。

 

効果的には、

  • 何も混ぜないもの…750ng/mLくらいのコラーゲン産生量
  • アムラ+リンゴベリー…950ng/mLくらいのコラーゲン産生量

 

と、200ng/mlくらいですね。

コラーゲン産生促進のデータ

引用:特許4917180号

 

この結果が人のコラーゲンが増えるということを直接証明するわけではないのですが、裏付けデータとしては有効ですよね。

 

ただし、実験の信頼性については、ダブルブラインドテスト(モニターも測定者も誰が何を飲んだか分からないテスト)になっているかが不明でしたので、エビデンスレベルは不明でした。

 

特許第5996156号

報告者 オリザ油化
登録特許番号 特許第5996156号
効果的な成分 イチゴ種子エキス
人での主な効果
  • 角層水分量増加
  • 皮脂減少
  • 肌のpH改善
  • 肌の明るさアップ
モニター試験 60名を15名ずつ4つのグループに振り分ける。4種類のうち1つのドリンクを1日1本飲み、2ヶ月継続する。
実験の信頼性 不明。ダブルブラインド明記なし。

こちらは、資生堂のコラーゲンドリンクに新たに配合された、いちご種子エキスについての特許です。これは資生堂ではなく、原料メーカーのオリザ油化が出しています。

 

イチゴ種子エキスには、細胞実験レベルでは、以下のような生理活性機能があるとのこと。

  • 表皮細胞の水の通り道であるアクアポリン3、アクアポリン5の発現促進
  • セラミド前駆体をつくるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の発現促進
  • ヒアルロン酸合成効果のあるヒアルロン酸合成酵素HAS2及びHAS3の発現促進

 

ちなみに、アクアポリンについてですが、AQP3遺伝子欠損マウスの皮膚では、角層水分量、皮膚粘弾性、バリアー機能回復の低下が認められ、AQP3が皮膚物性及び皮膚生理機能に深く関与していることが示されているとのこと。

 

なので、アクアポリンの産生促進は、皮膚の乾燥を抑え、はりを整え、バリアー機能を強化すると期待できるもので、最近よく研究されています。

 

では、実際にイチゴ種子エキスを配合したドリンクで、人の肌にどのような効果があるのでしょうか。結果としては、

  • 角層水分量増加
  • 皮脂減少
  • 皮膚pH改善
  • 皮膚の明るさ改善

 

などが報告されていましたが、有意差があるかどうかは不明です。ダブルブラインド試験かも明記されていませんでした。なので、実験データの信頼性が少し低い印象です。

 

細胞実験では、ヒアルロン酸やセラミドの産生促進などについて効果が得られていましたので、それが人の皮膚にも現れているのかもしれません。

資生堂のザ・コラーゲンで買うとしたらどれがオススメ?

ザコラーゲンEXR タブレット

個人的には、資生堂の中だと、ザ・コラーゲンEXRタブレットを選びます。

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内容量126粒126粒126g50ml×10本50ml×10本
税込価格32405400216027004104
コラーゲンの種類魚由来ペプチド魚由来ペプチド魚由来ペプチド魚由来ペプチド魚由来ペプチド
1日の摂取量6粒6粒6g5050
コラーゲンペプチド(mg)5000〜1000010001000500010001000
ビタミンC (mg)100100100100100100
ヒアルロン酸 (mg)120~240で効果あり5101510
セラミド (mg)0.6〜1.2mgで効果あり0.61.2-0.61.2
ビタミンB2 (mg)1.2-4--4
ビタミンB6 (mg)1.2〜45mg-10--10
1日の税込価格154257103270410
コラーゲン1000mgの税込価格15425721270410

コラーゲンペプチドの量でいうと、1日あたり5000mgとれるパウダーが最もお得です。データからも1日5000mgコラーゲンペプチドをとらないと、水分アップ効果が得られないというデータがあります。

 

コラーゲンタブレットは1日1000mg摂取なので、コラーゲンペプチドの効果は期待薄です。ただ、コラーゲンペプチドの水分アップ効果は、化粧品とかでも普通に出せそうな効果だと思うので、そんなに重要ではないかと思います。

 

それよりも、バリア機能をアップさせるセラミドとか、皮膚の健康維持に必要なビタミンB2やB6が含まれる、タブレットの方がバランスが良いと思います。

 

まとめ

コラーゲンペプチドは1日に5g以上で水分量アップが期待されます。

ただコラーゲンの効果というよりも、それ以外にも、リンゴベリー、アムラ、イチゴ種子エキスに角層水分アップや、ビタミンC、ビタミンB類、セラミドなども入ってるので、そちらの効果のほうが良いのではと思います。

個人的には、資生堂で選ぶなら、ザ・コラーゲンEXRのタブレットですね。



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