シワの原因として言われているのは、大きく6つあります。
- 乾燥
- 紫外線
- タバコ
- 表情の癖
- 赤外線
- 女性ホルモンの低下
今回は、シワの原因を詳細に説明するとともに、その対策、そしてシワの種類について紹介します。
食べ物でも対策できることがあるので、チェックしてみてください。
目次
シワの原因と対策
まずは、シワの原因と対策です。
乾燥
乾燥すると目尻などに細かいちりめん状のシワができます。
また、このような小さなシワでも、シワ同士が重なっていくと、目立つようになります。
対策はとにかく保湿が大切です。研究職時代に得た知見から、乳液やクリームで蓋をするのが一番効果があるように感じます。
化粧品では日本香粧品学会の抗シワ試験ガイドラインに基づいた試験をクリアすると「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効果が訴求できます。
このような、乾燥小ジワ訴求のアイテムを使うのも良いと思います。
表情の癖
眉間やおでこのしわは、表情の癖によるしわです。
表情の変化で折りたたみ癖がつくことでできます。
対策としては表情の癖を治すことです。
笑顔でも目尻のシワができますが、笑顔をやめることはできないので、眉間にシワを寄せたり、おでこにシワを作るのはやめましょう。
女性ホルモンの低下
卵巣から分泌されるエストロゲンは、コラーゲンやエラスチンなどの産生を担っています。
加齢や妊娠でエストロゲン分泌が低下すると、コラーゲンが作られにくく、ハリがなくなりシワ形成につながります。
対策としては、女性ホルモン様作用のある大豆イソフラボンを摂取することです。
大豆イソフラボンの中の大豆イソフラボンアグリコンは、エストロゲンと骨格が似ているため、エストロゲンと同じ働きをすることが分かっています。
大豆食品に多く含まれますので、きな粉、納豆、味噌汁などを取って、コラーゲン産生をサポートするのがおすすめです。
参考までにイソフラボンが多く含まれる食品のリストを紹介します。
<食品100g中に含まれる大豆イソフラボンアグリコンの量>
食品名(検体数) | 平均含有量(mg) | 配合量(%) |
黄粉(きな粉)(2検体) | 266.2 | 0.27 |
揚げ大豆(1検体) | 200.7 | 0.20 |
大豆(11検体) | 140.4 | 0.14 |
凍り豆腐(1検体) | 88.5 | 0.09 |
納豆(2検体) | 73.5 | 0.07 |
煮大豆(3検体) | 72.1 | 0.07 |
味噌(8検体) | 49.7 | 0.05 |
油揚げ類(3検体) | 39.2 | 0.04 |
豆乳(3検体) | 24.8 | 0.02 |
豆腐(4検体) | 20.3 | 0.02 |
金山寺みそ(1検体) | 12.8 | 0.01 |
おから(1検体) | 10.5 | 0.01 |
醤油(8検体) | 0.9 | 0.001 |
上記の表は、あくまで100g中の含有量です。
きな粉100g食べるのはなかなかしんどいと思いますが、豆腐1丁(350g)、納豆1食(45g)は比較的食べやすいかもしれません。
[voice icon=”https://shosong.com/wp-content/uploads/2019/04/osaru-bu.png” name=”すみしょう” type=”l”]私も妻も、毎日納豆食べたり、ヨーグルトにきな粉かけたりしてます。単純に味が好きなだけですが。[/voice]紫外線
紫外線を受けると活性酸素が発生し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸という肌弾力を付与する成分をつくる線維芽細胞にダメージを与えます。その結果、肌の弾力が低下し、深いシワができやすくなります。
対策としては、日焼け止め、日傘などで対策しましょう。日中は例え雨でも曇りでも冬でも紫外線はふりそそぐのでしっかり対策。
車やオフィスの窓ガラスからでも紫外線のUVAは透過するので、油断しないことが良いですね。
また、医薬部外品のシワ改善美容液を使うのも1つの方法です。シワ改善クリームの選び方は、以下を参考にしてみてください。
たばこ
最近わかってきたのが、タバコがシワ形成に関与しているとのこと。
真皮繊維芽細胞を使った実験では、細胞にタバコ煙抽出液を添加すると、コラーゲン産生が抑制されたそうです。
一方、ビタミンE、アスコルビン酸の添加でコラーゲン分解酵素が抑制できたとの報告もあります。
なので、ビタミンEやビタミンCを含むスキンケアは効果が期待でそうですね。
参考:森田明里, 環境因子とシワ, 日本香粧品学会誌 Vol. 37, No. 1, pp. 6–10 (2013)
赤外線
太陽光には、紫外線以外にも、赤外線が含まれ、赤外線の中でも波長が700〜1400nmの近赤外線がシワに関与していることが分かってきました。
ヒトに赤外線を照射すると、コラーゲン分解酵素MMP-1(マトリックスメタプロテアーゼ-1)が誘導し、コラーゲンを産生を抑制しました。
一方、太陽光にUVカットフィルターを入れてヒトの皮膚に照射しても、MMP-1が誘導したとのことで、赤外線がコラーゲン産生抑制につながることが、明らかになったとされています。
一方で、抗酸化剤の外用によってMMP-1の誘導が抑制されたとの報告がありますので、ビタミンEやビタミンCを含む製剤は効果がありそうですね。
紫外線防御指数のSPFやPAのように、近赤外線を防ぐ指数についても検討されているようです。
参考:森田明里, 環境因子とシワ, 日本香粧品学会誌 Vol. 37, No. 1, pp. 6–10 (2013)
シワの種類と目尻のシワ写真
シワの種類は、深さによって小ジワ、大ジワにわけられます。
上記の写真は日本香粧品学会の抗シワ試験ガイドラインに記載のシワグレードと呼ばれるものです。
小ジワ(表皮の乾燥によるシワ)
上記写真のグレード1〜3は小ジワで、表皮の乾燥が主原因です。
「乾燥による小ジワを目立たなくする」と記載のスキンケアで改善が可能ですので、そのようなスキンケアを選ぶのが良いでしょう。
記載がないスキンケアでも、化粧水→クリームと塗ればだいぶ改善する印象です。化粧水だけではなかなか難しいと思います。
大ジワ(真皮性のシワ)
上記写真のグレード3〜5が大ジワです。
紫外線や加齢によって真皮のコラーゲン量が少なくなる、表情の変化による折りたたみ癖がつくなどによって引き起こされるものです。
医薬部外品のシワ改善が認められているスキンケアで改善可能です。
グレード6〜7はもっと深いシワであり、医薬部外品でも改善するのが難しいレベルです。美容皮膚科で相談するのが良いと思います。
まとめ
シワをできにくくするためには、タバコは吸わず、紫外線はしっかりカットして、大豆イソフラボンをとるのが良いと考えます。
スキンケアを選ぶなら、シワ改善効果がある医薬部外品が良いと考えます。