ドクタージャルトのシカペアクリームの成分解析と期待される効果

ドクタージャルトのシカペアクリーム
すみしょう
化粧品処方研究家のすみしょう(@smishow01)です。

 

韓国発コスメで大人気のシカクリーム。その先駆けとなったのがDr.Jart(ドクタージャルト)のシカペアクリームです。

シカペアクリーム

SNSでは肌再生クリームと呼ばれ、肌荒れ、ニキビに効果があるといった口コミも。

 

本記事では皮膚科学の視点から、ドクタージャルトのシカペアクリームの成分を解析し、期待できる効果を考察しました。

 


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ドクタージャルトとは?

シカペアシリーズ

ドクタージャルトは、スキンケアに科学とアートを融合するというコンセプトの韓国のドクターズコスメブランドです。

皮膚科学者のDr.Sung Jae Jungと、建築家のChin Wook Leeから生まれ、2005年から販売しているとのこと。

参考:Dr.Jart+ 公式サイト(英語版)

 

効果を追求するのももちろん、素晴らしいアートやデザインと融合して、素敵な世界観を作り上げているなと思いました。

 

ドクタージャルトの有名なシリーズは、セラミドケアのCeramidin(セラミディン)や、敏感肌向けCicapare(シカペア)などがあります。

 

この「シカ」はCICA-CAREというスミス・アンド・ネフュー社のキズ保護シートに由来していると思われます。その辺りについては、以下にまとめています。

シカクリームに含まれるツボクサエキスの効果、成分、安全性を論文調査した

2019.11.04

 

そして、今回分析するのが、シカペアシリーズのシカペアクリームです。

 

ドクタージャルトのシカペアクリームの成分解析

シカペアクリーム

全成分は、英語版ホームページから引用し、日本語訳しています。

英語版の全成分はこちら
Water/Eau, Butylene Glycol, Propanediol, Caprylic/Capric Triglyceride, Cetearyl Alcohol, Hydrogenated Poly(C6-14 Olefin), Cetyl Ethylhexanoate, Polyglyceryl-3 Methylglucose Distearate, Butyrospermum Parkii (Shea) Butter, Niacinamide, Vinyl Dimethicone, Macadamia Integrifolia Seed Oil, Glyceryl Stearate, Pentylene Glycol, 1,2-Hexanediol, Diisostearyl Malate, Eryngium Maritimum Callus Culture Filtrate, Hydrogenated Vegetable Oil, Polymethylsilsesquioxane, Beeswax/Cire d’abeille, Cetearyl Olivate, Sorbitan Olivate, Madecassoside, Houttuynia Cordata Extract, Ilex Aquifolium (Holly) Leaf Extract, Streptococcus Thermophilus Ferment, Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer, Achillea Millefolium Oil, Hydroxyacetophenone, Palmitic Acid, Stearic Acid, Lavandula Angustifolia (Lavender) Oil, Sodium Polyacryloyldimethyl Taurate, Carbomer, Xanthan Gum, Hydrogenated Polydecene, Tromethamine, Caramel, Citrus Aurantium Bergamia (Bergamot) Fruit Oil, Melia Azadirachta Leaf Extract, DNA, Melia Azadirachta Flower Extract, Adenosine, Sorbitan Isostearate, Asiaticoside, Disodium EDTA, Centella Asiatica Leaf Extract, Hedera Helix (Ivy) Extract, Coccinia Indica Fruit Extract, Trideceth-10, Panthenol, Amber Powder, Solanum Melongena (Eggplant) Fruit Extract, Ethylhexylglycerin, Curcuma Longa (Turmeric) Root Extract, Ocimum Sanctum Leaf Extract, Corallina Officinalis Extract,Moringa Oleifera Seed Oil, Tocopherol, Calcium Chloride, Magnesium Sulfate, Asiatic Acid, Madecassic Acid, Centella Asiatica Extract

 

主成分(1%以上と思われる成分)

*ノニオン=非イオン性界面活性剤

*キャリーオーバー=微量成分

成分 特徴 推定配合率(%)
ベース 60
BG
多価アルコール、保湿
5
プロパンジオール
多価アルコール、保湿、防腐
5
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル
油脂、エモリエント
5
セテアリルアルコール
高級アルコール、クリームの硬さを付与
3
水添ポリ(C6-14オレフィン)
炭化水素油、エモリエント
3
2-エチルヘキサン酸セチル
エステル油、エモリエント
3
ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース ノニオン、乳化 3
シア脂
植物油、エモリエント
2
ナイアシンアミド
ビタミンB群、美白、シワ改善、肌荒れ改善、ニキビケア
2
ビニルジメチコン
シリコーン、感触改良
2
マカデミア種子油
油脂、エモリエント
2
ステアリン酸グリセリル
ノニオン、乳化
2
ペンチレングリコール
多価アルコール、保湿、防腐
2

 

1%以下と思われる成分

成分 効果
1,2-ヘキサンジオール
多価アルコール、保湿、防腐
リンゴ酸ジイソステアリル
エステル、エモリエント、保湿
エリンギウムマリチムムカルス培養液
カルス細胞培養、皮膚コンディショニング
加水分解野菜油
油脂、キャリーオーバー
ポリメチルシルセスキオキサン
シリコーン、感触改良
ミツロウ
蜂蜜のロウ、クリームの硬さ付与
オリーブ酸脂肪酸セテアリル
エステル、エモリエント
オリーブ酸脂肪酸ソルビタン
ノニオン、乳化剤
マデカッソシド
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング
ドクダミエキス
皮膚コンディショニング
セイヨウヒイラギ葉エキス
皮膚コンディショニング
乳酸菌培養液
皮膚コンディショニング
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 増粘、乳化
セイヨウノコギリソウ油 精油
ヒドロキシアセトフェノン 酸化防止剤
パルミチン酸 脂肪酸
ステアリン酸 脂肪酸
ラベンダー油 精油
ポリアクリロイルジメチルタウリンNa 増粘、乳化
カルボマー 合成、増粘
キサンタンガム 天然、増粘
水添ポリデセン
炭化水素油、キャリーオーバー
トロメタミン
アルカリ、pH調整
カラメル 着色
ベルガモット果実油 精油
メリアアザジラクタ葉エキス
皮膚コンディショニング
DNA
皮膚コンディショニング
メリアアザジラクタ花エキス
皮膚コンディショニング
アデノシン
皮膚コンディショニング
イソステアリン酸ソルビタン
非イオン性界面活性剤、乳化、キャリーオーバー
アシアチコシド
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング
EDTA-2Na
キレート、安定化
ツボクサ葉エキス
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング
セイヨウキズタエキス
皮膚コンディショニング
コクシニアインディカ果実エキス
皮膚コンディショニング
トリデセス-10
ノニオン、キャリーオーバー
パンテノール
プロビタミンB5、皮膚コンディショニング
コハク
コハクのパウダー
ナス果実エキス
皮膚コンディショニング
エチルヘキシルグリセリン エーテル、防腐
ウコン根エキス
皮膚コンディショニング
カミメボウキ葉エキス
皮膚コンディショニング
サンゴモエキス
皮膚コンディショニング
ワサビノキ種子油
皮膚コンディショニング
トコフェロール
ビタミンE、酸化防止
塩化Ca
塩、キャリーオーバー
硫酸Mg
塩、キャリーオーバー
アシアチン酸
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング
マデカシン酸
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング
ツボクサエキス
ツボクサ由来、皮膚コンディショニング

 

大まかな処方としては、以下のようなイメージかと思います。

  • 水…55%
  • 油…20%
  • 保湿成分…12%
  • 界面活性剤…5%
  • 植物エキス・その他…8%

 

植物エキス等の種類が多いですね。

この辺りのエキスは、ちょびっとしか入れてないかもしれません。

 

個人的には厳選した成分をたっぷり入れて欲しい派です。

 

以下、気になる特徴や成分をピックアップします。

 

ナイアシンアミド

ビタミンB3群の1つです。

日本でも美白、シワ改善の有効成分として使われます。

 

また、セラミド合成によりバリア機能をアップして肌荒れを改善したり、ニキビケア、コラーゲン産生促進効果も報告されています。

 

これが成分表の上の方にきているので、これが、実は隠れた重要成分だと思います。

 

PEGフリー乳化剤

こちらはウォーターベースのクリームと思われます。(W/O乳化物)

 

クリームを作るために乳化剤は必須でして、よくノニオン(非イオン性界面活性剤)を使います。

 

ノニオンとしては、一般的にPEG系の物を使うのですが、シカペアクリームでは使われていません。(トリデセス-10はPEG系ですが、キャリーオーバーと思われます)

  • ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース
  • ステアリン酸グリセリル
  • オリーブ脂肪酸ソルビタン

 

PEG系は合成界面活性剤のイメージが強く、ナチュラル系のブランドでは嫌われるため、PEGフリーにしていると思います。

ちなみにこれらのPEGフリー乳化剤は、PEG系より原価が高いです。

 

多価アルコール系防腐剤

パラベンやフェノキシエタノールという典型的な防腐剤が配合されていません。

その代わり、以下のような多価アルコールで防腐しています。

  • プロパンジオール
  • ペンチレングリコール
  • 1,2-ヘキサンジオール

 

無添加ブランドでよく使われる成分ですね。

 

ただ、どんな成分もそうですが、人によっては刺激になることがあることには注意しましょう。

特に1,2-ヘキサンジオールは、配合量が多いと刺激になりやすいと経験上、思います。

 

ツボクサエキス

シカペアクリームの代名詞とも言えるのが、ツボクサエキスです。

虎が傷を治すときに擦り付けるという伝説から、タイガーグラスとも呼ばれているそうです。

ツボクサエキス系の成分が以下。

  • マデカッソシド
  • アシアチコシド
  • アシアチン酸
  • マデカシン酸
  • ツボクサエキス

 

大元のツボクサエキスをはじめ、さらに、ツボクサエキスに含まれる化学成分(マデカッソシド〜マデカシン酸)まで配合しているので、非常にこだわりがあることがわかります。

 

ツボクサエキスは他にも、抗炎症効果やコラーゲン産生促進などの効果があるとの報告があります。

詳しくは以下にもまとめています。

シカクリームに含まれるツボクサエキスの効果、成分、安全性を論文調査した

2019.11.04

 


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ドクタージャルトのシカペアクリームに期待される効果

肌荒れ防止効果はある?

ドクタージャルトのシカペアクリームは、ナイアシンアミドのセラミド合成促進効果で角層バリアを向上することが知られています。

 

角層バリアを向上すると、外的刺激からのダメージを防いだり、水分が逃げにくくなります。

 

また、ツボクサエキスや、それに含まれるマデカッソシド等の成分も抗炎症効果があるとされますので、この2つの合わせ技で、肌荒れを改善することが期待されます。

 

ニキビに効果ある?

ナイアシンアミドは、ニキビ治療に使われるクリンダマイシンという抗菌成分と同様の効果を示したという論文もありました。

 

4%のニコチン酸アミドと、1%のクリンダマイシンでニキビ患者に4週間適用したところ、同等の効果があったとのこと。

 

ランダム二重盲検試験(ダブルブラインド)なので、信頼性は高いデータかと思いました。

参考:Khodaeiani, Fouladi, Amirnia M, Saeidi M, Karimi ER., Topical 4% nicotinamide vs. 1% clindamycin in moderate inflammatory acne vulgaris., Int J Dermatol. 2013 Aug;52(8):999-1004

 

また、ツボクサエキスは、抗炎症効果が期待できます。

 

総合的にみて、ドクタージャルトのシカペアクリームは、ニキビの炎症を防ぐ効果が期待できそうです。

 

ひどい場合は皮膚科の治療を受けてくださいね。

 

まとめ

ドクタージャルトのシカペアクリームの成分解析の結果、私が期待できそうだなと思った効果は、以下です。

  • ナイアシンアミドとツボクサエキスによる肌荒れ改善
  • ナイアシンアミドによるニキビケア

 



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