アルージェの敏感肌向けクリーム2種の成分解析【処方のプロが語る】

アルージェクリームの成分解析
すみしょう
化粧品処方研究家のすみしょう(@smishow01)です。化粧品の処方開発を7年やってました。

 

アルージェの敏感肌向けミルキークリームとエクストラクリームは、セラミドを訴求成分として角層バリアケアするクリームというもの。

 

全薬工業という製薬会社が製造しており、乾燥肌・敏感肌の方に人気です。

 

ただ、どんな成分が入っているのか良くわからない方も多いと思いますので、アルージェのクリームの成分解析を行いました。

 

基本的に良い感じの処方ですが、敏感肌にも注意すべき成分もあります。

 

アルージェの重要成分「セラミド」の役割

セラミドは、肌の角層の中を満たす「角質細胞間脂質」の50%をしめる成分です。

セラミドがしっかりと角層で並んでいると、外的刺激から守ってくれたり、水分が肌から逃げにくくなります。

 

しかしセラミドは、過度な洗浄や、加齢によりセラミドが不足することが知られています。

参考:J Invest Dermatol.,96(4),1991

 

セラミドを外部から補給することで、水分保持機能を向上させることも報告されており、スキンケアの重要な成分と考えられています。

参考:合成セラミドを主成分とする生体脂質類似皮膚化粧料の開発

 

セラミドは1つの成分を示すのではなく、色々な成分をまとめた総称です。

天然型(馬や植物由来)、合成類似型、合成ヒト型などのいくつもの成分があります。

 

アルージェの場合は天然ビオセラミドなので、人のセラミドとはちょっと違います。

 

アルージェエッセンスミルキークリーム&エクストラモイストクリームの成分解析

ビーカー

アルージェのスキンケアコンセプト

アルージェは、敏感肌の方向けのスキンケアを提案しています。

敏感肌のアプローチにもいろいろありますが、アルージェは大まかに以下のようなコンセプトです。

  • 角層バリアを整える(ナノ化セラミドのセレブロシド)
  • 肌荒れケア成分(グリチルリチン酸誘導体、ε-アミノカプロン酸)
  • 低刺激処方(敏感肌の方のパッチテスト、無添加処方)

 

アルージェには2つのクリームがあります。

しっとり、とてもしっとりと感触の違いが大きいですね。

エッセンス ミルキークリーム(しっとり)

アルージェエッセンスミルキークリーム

35g…2420円(税込)

医薬部外品

成分 説明 推定配合量(%)
グリチルレチン酸ステアリル 甘草由来の有効成分、抗炎症 0.1
ε-アミノカプロン酸 アミノ酸系有効成分、抗炎症 0.1
γ-オリザノール 稲の種由来の有効成分、肌荒れ抑制 0.1
ベース 75
濃グリセリン 3価アルコール、保湿 5
BG 2価格アルコール、保湿 5
ペンチレングリコール 2価格アルコール、保湿、防腐 3
スクワラン 炭化水素、エモリエント 3
トリオクタン酸グリセリル 油脂、エモリエント 3
ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット 多価エステル、抱水性に優れる 1
オキシステアリン酸コレステリル コレステロールエステル、抱水性に優れる 1
カンゾウ葉エキス 甘草由来、保湿 1%以下
酵母エキス-1 酵母由来、保湿 1%以下
加水分解シルク液 シルクタンパク由来、保湿 1%以下
トリメチルグリシン ベタイン、てん菜由来、保湿 1%以下
ヒアルロン酸Na-2 多糖、保湿 1%以下
ビオセラミド 動物由来、糖セラミド、バリアケア 1%以下
水添大豆リン脂質 大豆由来、乳化 1%以下
天然ビタミンE 製品の酸化防止 1%以下
フェノキシエタノール 防腐 1%以下
ベヘニルアルコール 高級アルコール、クリーム安定化 1%以下
粘度調整剤 粘度調整 1%以下
pH調整剤 pH調整 1%以下

医薬部外品なので、全成分表示義務はありません。

なので、配合率推定も難しいのですが、配合順で並んでいると仮定して推定しています。

アルージェエッセンスミルキークリームを大まかにまとめると、

  • 水…75%
  • 有効成分…グリチルリチン酸2K等で0.3%
  • 保湿成分…BG、グリセリン等で10%
  • 油分…スクワラン等で8%
  • セラミド…セレブロシド1%以下
  • 防腐剤、粘度調整、その他

 

エッセンス エクストラモイストクリーム(とてもしっとり)

アルージェエクストラモイストクリーム

30g…2750円(税込)

医薬部外品

成分 説明 推定配合量(%)
グリチルレチン酸ステアリル 甘草由来の有効成分、抗炎症 0.1
ε-アミノカプロン酸 アミノ酸系有効成分、抗炎症 0.1
γ-オリザノール 稲の種由来の有効成分、肌荒れ抑制 0.1
ベース 70〜80%
濃グリセリン 3価アルコール、保湿 不明
BG 2価格アルコール、保湿 不明
植物性スクワラン 炭化水素、エモリエント 不明
ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット 多価エステル、抱水性に優れる 不明
カンゾウ葉エキス 甘草由来、保湿 1%以下
シア脂 シアバター油脂、エモリエント 不明
トリメチルグリシン ベタイン、てん菜由来、保湿 不明
ヒアルロン酸Na-2 多糖、保湿 1%以下
ビオセラミド 動物由来、糖セラミド、バリアケア 1%以下
マカデミアナッツ脂肪酸酸コレステリル コレステロールエステル、抱水性に優れる 不明
サラシミツロウ 蜜蜂の巣から得られるロウ、クリーム安定化 不明
ジグリセリン 多価アルコール、保湿 不明
水添大豆リン脂質 大豆由来、乳化 不明
水添ホホバ油 ワックスエステル、エモリエント 不明
天然ビタミンE 製品の酸化防止 1%以下
トリオクタン酸グリセリル 油脂、エモリエント 不明
フェノキシエタノール 防腐 1%以下
1,2-ヘキサンジオール 2価格アルコール、防腐 1%以下
ベヘニルアルコール 高級アルコール、クリーム安定化 不明
粘度調整剤 粘度調整 1%以下
pH調整剤 pH調整 1%以下

エクストラクリームの方は、配合量順に並んでいないような印象です。

ヒアルロン酸Na-2は原料が1%なので、製品に配合したら確実に1%以下です。また、防腐剤等も1%以下は確実。

 

しかし、その後に続く原料は、クリームのベースとなる成分も多く、1%を超える成分も多そうです。

ということで、順序がバラバラなので全く推定できませんので、不明と記載してるのも多くなってます。

 

以下、エッセンスミルキークリームとエクストラモイストクリームの特徴について、気になる点をピックアップして紹介します。

 

アルージェクリームの良い成分、気になる成分をピックアップ

3種の抗炎症成分

  • グリチルレチン酸ステアリル
  • ε-アミノカプロン酸
  • γ-オリザノール

 

グリチルレチン酸ステアリルは、甘草という植物からとれる成分から作ったもので、油に溶けやすい抗炎症成分です。刺激やアレルギー性はほとんどないです。

 

ε-アミノカプロン酸は、医薬品にも使われていたアミノ酸系の抗炎症成分。基本は刺激も問題ないのですが、最近アレルギーを起こす人もいるという報告がありました。

 

γ-オリザノールは、稲由来の肌荒れ抑制成分。珍しい成分ですが、皮膚疾患患者、健常者のパッチテストでは問題なしの安全性が高い成分です。

 

天然セラミド「ビオセラミド」をナノ化している

天然セラミド「ビオセラミド」とありますが、人の肌にあるセラミドとは少し構造が違います。

セラミドに糖がくっついた擬似セラミドというものです。

 

また、公式ページにナノ化セラミドと書いてます。

 

一般的にセラミドは結晶性が高く、普通に配合すると、セラミドどうしがくっついて分子が大きくなりがちです。そのため角層浸透もしにくくなります。

 

アルージェはこれをナノ化して配合しているということです。

 

これが本当なら、効率よく角層に浸透しそうな感じですが、詳細はわかりませんでした。

 

オキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸酸コレステリル

セラミドの効果を引き出し、バリアケアするためには、セラミド単体よりも、コレステロールや脂肪酸などと組み合わせた方が良いそうです。

 

アルージェでは、オキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸酸コレステリルというコレステロールエステルを使うことで、セラミドの機能を引き出すように設計しているのかなと思いました。

 

界面活性剤無配合とあるが大豆リン脂質は?

敏感肌向けなので界面活性剤無配合、という宣伝をしていますが、水添大豆リン脂質も乳化等があるので界面活性剤の一種です。

 

全薬工業の中では、水添大豆リン脂質を界面活性剤に分類していないということですね。

 

アルージェのクリームの安全性について

アルージェのクリームは、敏感肌の協力によるパッチテストを実施しているので、通常のパッチテストより厳しい条件をクリアしているようです。

 

ただ、それでも全員に安全という保証はないです。

個人的に、刺激リスクがある成分としては、

  • ε-アミノカプロン酸
  • BG
  • ペンチレングリコール
  • 天然ビタミンE

 

が気になりました。

特に先ほども述べましたが、ε-アミノカプロン酸は、アレルギーが出る人も稀にいるという報告もあります。

参考:市販点眼薬中のアミノカプロン酸によって生じたアレルギー性接触皮膚炎

 

アルージェは医薬部外品の承認を受けているので、安全性には基本は問題ないです。

 

しかし万人にOKなものはないので、合わないなと思ったら使用を中止しましょう。

 

まとめ

 

アルージェのセラミドクリームはどれくらいのセラミド配合かは分かりませんが、価格帯から察するに、1%以下ではないでしょうか。

 

また、ヒト型セラミドと比べると、糖セラミドなので、保湿面で少し見劣りする印象はあります。

 

また、ほとんどの成分が敏感肌用に厳選している感じですが、個人的にはεーアミノカプロン酸はいらないかなあと思いました。



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1 個のコメント

  • 両方使用経験あります。化粧水とチューブはアルージェ登場初期から数年使っていました。確か改訂のタイミングでジャーも出たので購入しましたが、ジャーの方が感触は重いけど保湿の持続という点では同等だと感じて結局チューブに戻りました。
    現在、こうしてそれぞれの配合量予測を拝見し、当時感じていた幾つかの事はあながち間違っていなかったという裏取りができたような気持ちです。
    それは、二つのクリームは感触(と価格)以外の違いはないのかもという事、アルージェは初期からあるアイテムの方がレベル高いのでは?と感じるようになった事、などです。
    今はキールズUFCやMarks&Webが主ですが、このご時世でも徒歩ですぐ入手できるアルージェを思い出せて良かったです。

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